ただ一緒にいただけ

そこにいてくれさえすれば

終わらない世界 鼻息の荒い感想文

終わらない世界!情報が公開されてからずっと楽しみにしてた舞台。ひろちゃんはというと、マクベスを終えてすぐにお稽古に合流、1ヶ月弱のお稽古を経て初日を迎えるっていうなかなかの過密スケジュール。お仕事にお仕事が重なり、いつあの膨大な量のセリフを覚えたんだろうか、とか、ちゃんと休む暇はあったのだろうか、とか今までだってそうやってやってきたんだから、きっとなんとかかんとか頑張って吸収して前見てわっ!と驚かすくらい素敵な姿を見せてくれるだろうとそこは信頼しかしてないけれど、それでも勝手にちょこっと心配して過保護になる気持ちがあったりなかったり。(笑)当のひろちゃんは、毎日楽しそうで、ダンスをみんなに教えてあげたりだとか慕われて頼りにされて、すっかりしっかり愛されて、ここでもやっぱりいつもみんなの真ん中にいて、笑顔が集まる場所になっていて、座組みの主要人物になっているようでした。
共演者の方が教えてくれる稽古場の様子もとってもかわいくて相変わらず顔がかっこよくて嬉しくて楽しくて沢山ときめいて、そうして公演日まで楽しみに楽しみに待つことができて、迎えたわたし的初日。中身はというと、正直私は1回目では全然頭が追いつかなくて感想があまり出てきませんでした。ただただひろちゃんがそこに立っていること、0番でピンスポ浴びていること、沢山沢山喋っていること、歌って踊ってくれたこと、カテコがやっぱりひろちゃんでしかなかったこと、が嬉しくて仕方なかった。悠河さんのスタイルの良さ、かっこよさ、かわいさ、お茶目さ、キラッキラの目には心を奪われたし、きょーのさんの辛気臭い女の子からのイケイケばりばりどんどん系女の子への豹変っぷりに驚いて、どんな人なのか知りたい欲がふつふつ湧いたりしてました。





内容を自分なりに理解するまでに私は観劇3回は必要で、自分なりに解釈するまで5回は必要でした。1回見ただけだったらほんと、ありとあらゆるところに仕込まれた笑いに全部もってかれてなんとなく楽しくてなんとなくキラキラしててなんとなくハッピーエンドで、あぁよかった!で終わっていたかもしれない。そうゆう楽しみ方ももちろんあっていいのだろうし、それはそれで正解だったと思う。ただ、何度も見てひとつずつ整理ができてくると、一見詰め込みすぎでは、ってくらい濃密なのに、登場人物の人生を想像させてくれる余白が沢山あって、きっと見た人の分だけ解釈があって、描かれていない余白を頭の中で埋めるのが楽しくって楽しくって、何回見ても新しい発見があって、何回見てもわからないところだってあって、何度見ても新鮮に楽しめるというのは本当にすごいなぁと思いました。







「終わらない世界」初日を控える座組の物語。小惑星の衝突で世界が終わるかもしれない、物語。小惑星がはずれて終わるはずだった世界が終わらなかった物語。物語の主人公は、"15歳で舞台デビュー、女優として世界で活躍して、モスクワで全財産使い切るパーティをして、シチリアでマフィアのドンと結婚、ドンの3回忌で日本に帰国して女優復帰、初主演舞台の「終わらない世界」の再演を控えその初日に世界が終わるかもしれない、、"ってゆう波乱万丈な人生を歩む舞台女優、七瀬ミワコ...だったのかな?もちろん物語の中心にいるのはミワコで、悠河さんは圧倒的な存在感だったのだけれど、誰が主人公でも1本筋が通ったお話になっていて、沢山の筋が交わる場所が劇中劇「終わらない世界」の舞台上、だったような気がします。ひろちゃんは脚本家を夢見る美術部の下っ端、小道具係の守口トモルくん。



世界が終わるかもしれないとき、今自分にとって大切な人・場所だったり、自分の信念だったりでどう行動するかは様々。それぞれの人生、それぞれの世界がそこにある。

自分にはこれしかないから、と劇場にいるトモルくんとミワコさん。
世界の終わりを楽しもうと女の子2人と過ごすオリジナルさん演じるプロデューサーの田沼タカオ。
自分だけは生き残ってやるという思いでとりあえず避難する舞台役者のほたてさん演じる野宮さんと渡辺さん演じる塚本さん。
最後の日くらい家族で過ごそうと家にいる歩己さん演じる舞台監督の熊川先生と、その妻の真奈美さん演じる舞台俳優のミチヨさん。
世界が終わるはずないと予定通りの行動をする藤田奈那ちゃん演じる無名役者のミナちゃん。
ミナちゃんにゾッコンで世界が終わる時も一緒にいたいと、ミナちゃんが歌の練習をするカラオケに押しかける安楽さん演じるタダシくん。

世界が終わる(かもしれない)、または、世界が終わらなかった、ことを機に、本当に大切なもの、を考えることになるわけです。








なにが難しいって、この舞台は「終わらない世界」がテーマで、劇中劇も「終わらない世界」がテーマ。本編のキャラクターにも劇中劇のキャラクターにも、ひとりひとり自分の世界があって大切なものがあって人生があって過去と今と未来がある。それを本編の中で過去と現在と劇中劇をいったりきたりしながら物語が進むから、整理するのがちょこっと難しい。その上、本編では、それぞれの、「終わらなかった世界」だったり「終わって始まった世界」だったりで「終わらない世界」を描いていて、劇中劇では、自分の世界をどう作ってどう生きるか、みたいなところで「終わらない世界」を描いていて、「終わらない世界」の描き方が違うからそれもまたややこしくなって整理が難しい。
でもちゃんと整理すると、登場人物の言動や感情は、吹原さんがいってたように、きちんと全部線になっていて、都合よくそこにいるキャラクターは本当にいない。だからこそ、全部が濃密で、一度見ただけではわたしの脳みそでは解釈が追いつかなかったのだけど、きちんと線で繋がると、葛藤と憧れと諦めと後悔と希望とって、それは身近な感情で溢れていて、終わるはずだった世界が終わらなかったときのひとりひとりの世界が、悪くないもの、素敵なもの、だったりして、そこにとてもパワーをもらえるお話でした。






私は個人的にほたてさん演じる野宮さんが大好きでした。というか、ほたてさんの演技がとても好きで、泣きたくなるやつで、ほたてさんが好きでした。
野宮さんは役者という職業と自分の演技に誇りを持っていて、演じることが大好きで、真面目に努力して経験と実績を積み上げてきた。自信だってある。だけど、どうしても、スター性があって華があって、なんでも持っていてやることなすこと注目されて、誰からも愛されて自由で、そうゆうミワコと自分を比べてしまって、ミワコと仲違いしてしまう。ミワコの実力を認めながら、必死で否定して、そんな自分も嫌いで。こんな世界一度終わってしまえって、自分は必ず新しい世界に生き残って、そこでならなりたい自分になれるかもって期待してる。
図らずとも野宮さんと世界の終わりを共にする(かもしれない)ことになった塚本さんは、野宮さんと同じように演じることが大好き。だけど、なかなか大きな役が回ってこなくて、自分は主役をはれる役者じゃないんだって半ば諦めて自信だってなくしてしまって、小さな世界に閉じこもってる。それでも演じていたくて、演技で勝負するというより、周りの顔を伺って、みんなが気持ちよく仕事できるように計らって、横の繋がりにしがみつこうとしてる。そうゆうずるい自分に気づいていて、塚本さんは自分のことをごますり役者って表現するの。
自分と同じように、経験も実力もあって演技が好きな塚本さんが、自分のことをそんな風に言うことが野宮さんは許せなくて。自分とどこか似ているから尚更。
世界が終わらないと知って、2人は初日公演のため劇場に向かおうとするけれど、避難したビルのシャッターが開かず出られなくて、困った2人は、SNSで自分のファンに助けを求める。そこで野宮さんは、一番に助けに来たのが塚本さんのファンだったら、野宮さんが事務所に頼み込んで、塚本さんの主演舞台をやる。野宮さんのファンだったら、今後2度と自分のことをごますり役者だなんて言わないでって提案するの。

どちらのファンが一番にきてくれたのか、結局明かされなかったけれど、きっと2人ともたっっっっくさんのファンの人が来てくれたんだろうなぁって思います。沢山ファンの人が来てくれたことで、野宮さんは、自分の演技を見たいと思ってくれている人がこんなにいる、誰かと比べなくたって、他の誰でもない自分を認めて求めてくれる人がこんなにいるって気づけたんじゃないかなぁ。塚本さんも、自分が思っていたよりずっとずっと沢山のファンの人がきてくれて、それは、自分は自分の思っていたような役者じゃないってことを意味していて、自信がついた。自分なんて、と抑えることをやめたから、そのあと大きな役がどんどん舞い込んできたんじゃないかなぁって。
終わって欲しいと思っていた世界は終わらなかったけど、2人が今まで見ていた世界は確かに終わって、今見ているのは間違いなく新しい世界。清々しい顔をしてミワコに手を差し伸べる野宮さんの自信と誇りと愛に満たされた笑顔がとても素敵でほんっとうにまぶしかったです。


全然宝塚のこと知らないし、悠河さんのこともほたてさんのことも知らないけど、トップスターで大先輩できっと憧れの的だっただろう悠河さんのライバル役を、宝塚の後輩のほたてさんがやっていることに、本当なんにも知らないけど勝手に感情移入したりして、最後の終わらない世界で悠河さんとほたてさんが2人で踊るところは毎回泣きました、、( ・_・̥̥̥ )




あとはミナちゃんもとっても振り切れた役で好きだったなぁ!ああいうタイプの子は、手段はどうあれ、全てを自分の力に変えて上り詰めていけるタイプよね、(笑)雨上がりレインボーデイがとてもキャッチーでかわいくて、昭和と平成のアイドルを半分こしたみたいな振り付けがかわいかった。キャラ作りを徹底していて最高だったし、豹変っぷりが気持ちよかった!あの豹変をもってしてもまだミナちゃんにゾッコンなタダシくんに、2人がなんだかうまくいきそうな雰囲気でとてもほっこりしました。



初演でも再演でもミワコと野宮さんの仲介に入ったミチヨさん。事件が一件落着して何も知らずに呑気に入ってきたミチヨを見て、お前はほんっとにも〜って愛しそうに幸せそうに笑う熊川先生に、ミチヨさんのこうゆうとこ好きになったんだろうなぁって思いました。ミチヨさんの魅力を再確認した熊川先生はミチヨさんの主演舞台を手がけて、ミチヨさんは嫌がりながらも、こっそり熊川先生のほっぺにちゅーしたりして、なんだからぶらぶな熊川夫妻はかわいかった。








ミワコは、女優としての地位、美貌とお金と愛と天性の才能と、一見何でももっているように見えるのだけれど、どこか寂しさがある。沢山の人に愛されているけれど、ミワコ自身を本当の意味で愛してくれる人なんていない、と思ってる。めちゃめちゃ勝手に余白を埋めると、ライアンと同じように、ミワコも孤児だったのかなぁ、とか。無条件に愛された記憶も無条件に愛した記憶もない。愛してくれるなら、それがどんな愛かなんてなんでもよかった。何でも受け入れて求められるままに流されるようにしてここまできた。でも、そうやって生きてきて、なんとなく幸せだったしなんとなく色んなものを手にしてきたけど、世界が終わるかもしれないという日にミワコはひとり劇場にいて、やっぱりそこには誰もいなくて。世界の終わりに一緒にいたいと思ってくれる人必要としてくれる人はいないんだって実感してしまって、それ故の第1幕始めのあの寂しそうな表情と諦めたように小さく笑うミワコがいたのかなぁ、とか。
自分から誰かを求めたり本当に誰かのことを好きになったことがないから、付き合うとは?恋人とは?なに?って思っていて、だけど、シチリアで敵対する組織から命を狙われていた時に、命がけで守って役に立てたのが嬉しいって笑ってくれたタカオは、もしかしたら他の人とは違うのかもしれない、って少しだけ期待していて、タカオがくれたネックレスを常に身につけてる。そのネックレスの石が本物か偽物か、というのは、タカオの気持ちが本物か偽物か、と同じ意味をもつと思っているから、決して自分からそれを知ろうとはしない。
トモルくんに心を開いてください、あなたを救えるのは僕しかいない、と言われてハッとして一瞬口元を柔らかく緩ませたあと、声が出なくなってしまうミワコ。


タカオは本当に難しいキャラクターで、だけどミワコのことが大好きっていうことだけは確か。トモルくん曰く、今のタカオは権力を掲げてミワコさんを利用しようとしてるようにみえる、らしいから、シチリアで命がけでミワコを守ってくれたタカオとは少し変わってしまったみたい。タカオが真摯に思いを伝え続けていたにも関わらず、本当の意味での愛なんて知らないミワコは、どうせ、お金を持っている自分、綺麗な自分が好きなだけだってタカオの思いを真正面から受け止めようとしなかったのかもしれない。一向に思いに応えてくれないミワコに、ヤケをおこして、世界の終わりを他の女の子キョウコとシノブの2人と過ごそうと決めたのかなぁ、とか。
ミワコさんが好きで、ミワコさんが一番大事で、ミワコさんが舞台に立つことを一番に応援したかったはずなのに。そんなことわかりきっていたことなのに。世界が終わらなかったことで、それを改めて再認識して、自分本意の意地のせいでミワコさんを悲しませてしまったかもしれないと後悔して、劇場に向かおうとするタカオ。けどこのあと、強盗に襲われて、キョウコの提案でミワコからお金を奪う計画になる。命欲しさに協力せざるを得なくなるタカオ。今さっき、自分が何を一番大切に想うか気づいたはずだったのに、命>ミワコさん、にあっという間に逆戻りしてしまうから、なんだかタカオのキャラクターがちぐはぐに思えて難しかった。まぁでも冷静に考えれば仕方ないっちゃ仕方ない。世界終わらなかったんだもん、生きていたいよね、、。それでも、強盗が小道具係のトモルくんに銃口を向ければ、彼はミワコさんの舞台に必要不可欠な人間だから撃つなら自分を撃ってくれ、って命を差し出すから、今度は、命<ミワコさんの舞台に転じる。タカオの中の天秤が忙しなく揺れていて、気持ちがころころ変わるんだけれど、そうゆうタカオが実は一番人間らしかったかもしれない。初めから全部は捨てきれなくて、その時々で色んなものを天秤にかけてそうでないと判断できなくて、何が一番大事かなんてその時によってかわる。ドラマや映画のように、綺麗事だけでは生きていけないよね。

そんなタカオを見て、出なかった声を出して、大きな大きな声を出して、強盗を止めに入るミワコ。芝居なんてお金がなくてもできるから、って、強盗に金庫の鍵を渡そうとするミワコ。けれど、強盗はお金より大事なものがある、というミワコに反発して、ミワコに銃弾を放つ。強盗は強盗で、もしかしたら何をやっても上手くいかなくて自分は空っぽで、お金があればって、何もかもをお金がないせいにして自分を庇ってここまできたのかもしれない。撃たれて倒れたミワコだったけど、しばらくして意識が戻るの。タカオがくれたネックレスに銃弾が当たっていて、タカオのネックレスがミワコを守ると同時に、それがイミテーションじゃないことを知る。そうして、タカオと手を取り合って、ようやくタカオに心を開くミワコさん。


トモルくんは、自分の人生がどこにあって自分の世界で大事なのは何かが明白で、その中で女優としてキラキラしているミワコさんがとても大きな存在であることも分かっている人。どこか寂しそうなミワコさんに気づいていて、そんなミワコさんを救いたいと思っていて、いまのタカオには救えないと思っていて、だったら自分が救わなきゃって思ってる。
タカオからの電話をうけるミワコさんを後ろから見るトモルくんの、なんだか複雑そうで、悲しそうで、悔しそうな顔を見たときは、トモルくんはミワコのことが女性として好きなのかな、とも思ったけど、最後の最後自分の命を捧げてまでミワコさんが立つ舞台を守ろうとしたタカオを見て、ミワコさんが大事に身につけているものがイミテーションではなかったと知って、手を取り合うミワコさんとタカオを見た時の、安心したようなあったかい笑顔を見たら、トモルくんはミワコさんが女優として輝いて幸せになることを心から願っていたんだなぁって思いました。小道具係のトモルくんがだいすき、って言われたときの嬉しそうで恥ずかしそうな笑顔に、トモルくんの世界にはキラキラ眩しく輝くミワコさんが必要で、いまこの瞬間もミワコさんが理想の形で居続けていて、トモルくんは小道具係としてそれを支えられるのがとても幸せで幸せで幸せなんだろう、って思いました。





と、こんな穴埋め答案用紙になりました。たのしかった(笑)まだまだ、

初演のときにミワコと付き合っていた熊川先生は、ミワコが自分を恨んでいる、と思っていたみたいだから、初演でミワコの声が出なくなってしまったのにはそこら辺に理由があるのだろうけど、どんな出来事があったんだろう〜〜!とか、やっぱり女優が最高よね!という結論に至るミワコだけど、シチリアでドンと結婚していた時には、女優はこりごり舞台はこりごり、と言っていて、どうしてそうなってしまったんだろう〜〜!とか。分からないことは沢山。余白は沢山。
再演で声が出なくなってしまった理由だってきになる。まっすぐ救いたいと言ってくれたトモルくんに対して、何て応えようとしていたのか気になる。きっとそこに声が出ない理由があったんだよね。なんとなく、本当は救ってもらえるなら救ってほしくて、側にいてくれるなら側にいてほしい。でも、してほしいことをしてくれる人、の側にいてなんとなく満たされた気持ちでいたら今までと何も変わらない。〜したい、と思える気持ちを大事にしたいって思ったんじゃないかなぁって。一見天真爛漫で自由に見えるミワコだけれど、本当の気持ちは誰にも見せずに自分にすら見せないように生きてきたんじゃないかなぁって。そうゆうミワコにとって、自分がどう思っているのか、を口に出すというのはとても勇気がいることで、言えないでいた見ようとしないでいた気づかないでいた本当の気持ちを、口に出そうとした時、声が出なくなってしまったんだろうか、とか、思ったりもしたけど。
あと、気まぐれかもしれないけど、野宮さんはずっと塚本さんのことを塚本さん・塚原さんと呼んでいたのに、一回だけサトシさんって下の名前で呼んだのとか、なんでだろってめちゃくちゃ気になってしまった、!



あと普通に感想だけど、
安楽さんは、出演シーンにことごとく笑い詰め込まれすぎていて、勝手に中の人はそうゆう感じの人ではないと思っていたから、大変だね、、ってめちゃくちゃ勝手に心中お察ししました(笑)笑いの緩急がすごくて、テンポのいい面白さだったり、とにかくひたすら静かに静かに時間をしっかり使っての面白さだったり。それは吹原さんのパターンでもあるのかもだけど、30秒くらいひたすらタダシくんがゆらゆらしてるのを静かに見守る劇場はとても新鮮でした。
きょーのさん、かおこさん、もりたさんはひとりで何役もの役をこなしていたけれど、それぞれキャラが濃くて、それぞれ全く別の人でびっくりだったよね?!かおこさんの踊っているときの表情がめちゃくちゃにかわいくて素敵でとても目をひいたし、終わらない世界で男性陣が女性陣の心を撃ち抜いた後の振り付けめちゃくちゃにかわいくて大好きでした。きょーのさんはほんっとにギャップがすごすぎて、とりあえず驚くしかなかった。流れてくる写真でもあんな大人しそうに控えめにピースしてた人が、あんな大きな声で罵声を浴びせれるなんて思わなかった。すごい人だね、、中の人がどんな人なのか知りたい。森田さんも、狂気的な役が似合っていたかと思ったら、防災ずきんみたいなの被って猿のおもちゃみたいにひたすらぺちぺち手を叩いて拍手する姿がめっちゃかわいくて、ほんとに同じ人?!ってなりました。キャラが濃い。w








大事なものを見失っていた人、大事なものが分かっているのに自信がなかった人、自分の信念だけに従った人。その中で、ともるくんは、何が一番大事か、どこに自分の世界があって何が自分の世界の中心なのか、何の迷いもなく分かっていて、そこにいるために、ブレずに努力している人でした。そんなともるくんはヒロキくんに少し似ているなぁと勝手に思いました。
僕には今この芝居しかない、家に帰る気なんてなかった、この劇場が僕の家で、人生がここにあるからって言葉、ともるくんにとってのお芝居が勝手にヒロキくんにとってのお芝居に重なって、心臓ぎゅってされたよね。舞台の中のセリフなのに、ヒロキくんがSNSで言ってくれるあの言葉たちを聞いたときと同じように、心臓がぎゅーぎゅーってして、嬉しくて寂しくてあったかくて幸せでだいすき、って思うあの気持ちと同じ気持ちが押し寄せてくる。これが当て書きだったのなら、本当にしんどい。分からないけど。

ひとり舞台に立ってピンスポ浴びて、劇場のみんながひろちゃんに視線を向けていて、その中で堂々と、劇場内に心地よく響く声で、優しくてあったかいトーンと抑揚で、一寸のブレもない迷いもない身振り手振りで話すひろちゃん。カテコで悠河さんの直前、つまり2番手の立ち位置として、他のキャストさんに両側から招かれながら、あんなに堂々とひとりでご挨拶のお辞儀をさせてもらって。そんなひろちゃんを見て涙が出るのは、仕方ないことで。今年の1月4日、あの大きな舞台で、せっかくの誕生日なのに0番に立つことをためらって、みんなに背中を押されてやっと0番に立ったひろちゃんが、カテコではけるとき恥ずかしさもためらいも恐縮もなく自分から0番に足を運んで悠河さんの真似してエプロンぴらってさせて客席にかわいい笑顔を見せてくれたことがなんだか嬉しくて嬉しくて、じんわりしたんだよね。
ありがとうございました!って、おっっっきいお口開けてお腹から声出して深く頭を下げるひろちゃんに、ひろちゃんが選んでくれた世界は、ひろちゃんの声をこんなにまっすぐ受け取ることができる世界で、今目の前にいるひろちゃんが、今のひろちゃんで本当に嬉しい、と思いました。嬉しいと思える日がくるのか、不安だった日がなかったわけではなくて、それでもやっぱりそう思わせてくれたひろちゃんだから、そうゆうひろちゃんだから、ひろちゃんを好きでいつだって幸せなんだって思います。



とにかくね、百名になって初めての公演が、ハレの日だと思ってくれる?ハレの日だと思ってほしい、だったことが本当に奇跡だと思っていて、それと同じくらい、百名としての初めての表舞台仕事納めの公演が、この怒涛だった2017年の締めくくりの公演が、僕には今この芝居しかないから、ここに人生がある、だったのも本当に本当に奇跡のようなことで。ひろちゃんがそれをどう思っているのか分からないけど、少なくともわたしにとっては、それはとてもとても救われて揺さぶられてものすごく幸せなことで、ひろちゃんを好きでいる世界は優しいなぁと思うしかないのでした。


終わらない世界、百名ヒロキの3作目!作品・キャストさん、ひろちゃんを囲む色んなものや人が今回もあったかくて素敵なものでいっぱいで本当に嬉しいです。ひろちゃんおつかれさま!!本当に、おつかれさまっっ!!!まだまだ忙しい日が続くのだろうと思うけど、毎日応援してます。毎日すきです。沢山たのしんで、沢山がんばってね。